「...っ!」

正門まであと少し、というところで人にぶつかって盛大にこけた。


「ついてない」

本当についてない。

膝を見ると血がだらーっと流れている。


「ごめん、大丈夫?」

上から声がしたと同時に差し出された手。


「あ、はい、だいじょ…」

最後まで言う前にわたしはかたまった。

そこにいたのは、今まで生きてきた中でダントツのイケメンが立っていたから。


「もしかして、立てない?」

わたしがかたまった様子なのをみて、その人はわたしの手を掴み立ち上がらせてくれた。