「テニス部だったんだ」

あの生徒会長がいた。

しかもかなりうまい。

圧倒的にひとりだけプロのようなラケットさばきに、相手がついていくのが大変そう。

まさにテニスの王子様って感じだ。



っていうか、こういうの慣れてるんだろうな。

こんなにも女子がいて、キャーキャーいわれているのに一切興味がなさそう。

あのとき、わたしに笑いかけてくれた彼はここにはいない。

でも、無表情でも顔が整っていてやっぱりイケメン。




「はーい、本気で部活に入りたい人だけ入って。ほかは禁止」

部長さんなのか、女の人が大きな声で叫んでいた。

手を払う様子からみて、強そう。

その女の人の強さに、続々とまわりの人は消えていった。

本当にみんな有島玲司をみにきただけだったのか。