「一緒に学校生活を楽しんでいきましょう。――年4月6日、生徒会長 有島玲司」


完璧にスピーチを読み上げた彼と、一瞬目があった気がした。

でもほんの一瞬。

そのまま彼はステージ裏へと姿を消した。


そのあとは、新入生代表の挨拶があり、担任の紹介があり、校歌斉唱があり、やっとのことで退場。


でもきっとみんなの頭の中は生徒会長でいっぱいだったと思う。



「ねえ、やばいかっこよくなかった!?」

「ね!!わたしアタックしちゃおっかな!!」

「でも、あれだよね?生徒会長ってことは3年生でしょ?もう卒業しちゃうなんて悲しい!」

「あはは、気が早いって」


クラスに戻った瞬間、クラスに花が咲いたようにその話題ばっかり。

男子たちは面白くなさそうだったけれど。