ふわっーーーーーーーーっーーーーーーーーーーーーーーー…………
からだが軽かった。
僕は意識が途切れたーーーー……
「危ない!」
ーーーーバサバサ……
どすんッ…!!
ジャリッ…!!
(だぁああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!)
転んだくらいでこんなに痛いと思ったのは兄貴の自転車講習ぶりかもしれない。
バサバサ…
ジャリジャリ…
「怪我はないか?」
……さっきから誰かに覆い被さられているような。
眉間にシワを寄せながら僕はそっと目を開けた。
袴ーー。
……え?
着物…。
「すみません!」
僕は目の前のひとを振り払う様に飛び起きた。
辺りは映画のセットのような完璧な世界が広がっていた。
袴姿や人力車、短髪、日本髷をしているひと、草履、下駄、ブーツーーーーーー……
………幕末……………?
