ーーーやっぱりね。

美桜は視線を落として、そしてすぐにまっすぐに京ノ介を見た。

「今でも想っているからですか」

ごめんなさい、と美桜は無意識に目を綴じるーーー本気じゃない。
本当にそういう人がいるなら…。
祈る想いで黙ったままの彼を見た。

「…自分でも正直、分からない」

彼が手をとって縁側に引き上げてきた。


「美雪といるとき。私は唯一、自分でいられる時間で生きてることを喜べた」

「生きてることを?」

何と返した良いか分からなくて美桜は呟いた。

「安らぎの時間。ときが止まることを願う夜もあった」

彼女は耳を塞いだ。
きっと、卑しい姿を想像したのだろう。

「私は美桜殿が想うような男ではない。」

「私はあなたに傷つけらてもかまわない」

「なら」


ミシっ…!!









目をあけると

美桜の真上には彼が覆い被さっていた