じゃり……

「……みつけた。やっぱりここに来ると張って正解だった。悔するなら償いなよほ」

歯軋りを唸らせた影がある。



美雪の双子の妹ーーーー

美月(みつき)。



養子にだされた双子の妹は子どものときに親戚の家に引き取られたのだ。
その家もけして恵まれた、とはいえなかった。
桶を降ろして頭を垂れた。

「……私も表に出たかったわ」


振り向いた京ノ介はニコリとした。

「驚かないヤツは数えるほどしかいない」

美月は勝手に桶の中にあった柄杓で水を汲んで墓石にかけた。


「優しいおなごだった。」

「物好きの娯楽だったはずなのに。あんたみたいな変な男につかまるからや」

目を細める彼に気づいて否か、 美月は笑みが顔から消えた。


「許さない」

「……」

「良い仲の女でも出来たら、私はその女をただじゃおかない」

「美桜殿はそんな目で見ておらぬ」

「『みお』……?」

彼女はふーん?と言って歩きだした。