ーーーーバタンッ ……ーーーーーー




「……た……」

突然、飛び込んできたは人影が彼だと把握するまでに少しだけ時間がかかった。
よろめきながら少し空けて腰を降ろす。

「突然、いなくなったので捜しましたよ」

「……」

「私が戻れるように取り持ちますから一緒に来てくれませんか」

「…私はあなたへの気持ちに気づいてしまった以上……あの家で堪えることは苦しいんです……」

「どういう意味でしょう。私の想う話と合致しているとしたら謝らないといけない」




すまない、と彼は美桜に向き直りふかぶかと垂れた。

「私は昔、かつて愛したひとを守る事が出来ませんでした。自分の命に変えても守り抜きたいーーーそう、誓ったのに」

彼は怒りで震えていた。