私は古淵様の隣りで出来上がった紅茶の蓋を外し、ミルクを加えようとした。すると手が滑りミルクピッチャーを床に落とし、ミルクは古淵様のドレスに翻た。

「古淵様。申し訳ございません。」私は怯えて、首を竦めた。

「いいの、着替えるのを手伝って。」

「はい……」

私は古淵様のドレスを脱がせ、白いシュミーズにコルセットとズロースが見えた。

「漣.......私を眺めて。」

古淵様のこの言葉を聞いた瞬間に私の頭は真白、思ったよりも混乱した。

「は.......はい.......古淵様。」

ゆっくり眺めると、シュミーズとズロースが覆った男性が好きそうである豊かな双丘が横から見える。細い腰が魅力的だった。ある衝動で遂に古淵様のコルセットを外した。

私はもっと知りたいと言う心の奥底から突き上げるような衝動で種が燃え、古淵様のシュミーズを脱がせた。

「これから二人の時は紅と呼んで。」

「はい。紅様。」

曲線の美を尽くした産毛のない白い背中、まるで紅様の部屋で飾ってあったあの絵から出て来たのような人。

「漣、私はこの絵に似てる?」紅様はあの絵を指した。

「似ていらっしゃいます。紅様。」

「私は、常にあの絵の人のような美しさを目指していた。」

「紅様は、あの美しさを目指されなくても、十分美しいで御座います。」

「.......」紅様は謎めいた笑みが顔に浮かべた。

「漣、私の相手になってくれない?」

「私の元々のお仕事は、紅様の相手で御座います。」

十五歳であのような華奢な背中。
身体は成熟した女性の豊麗よりも、男殺し程ではなく、少女独特な豊満だった。
まるで菫菜の蕾が開花しそうなようでもある程の豊満な身体。

女である私も迷わせられた。

恍惚とした私は正気が戻り、目のやり場に困っていた。何故か、良いフィアンセがいるだろうと勝手に思った。

「紅様。モーニングティーが冷めました。」
私はこれ以上行かないように一言を言った。

「温めて。」紅様は淡々と一言、「タンス中の淡藤色の服持って来て。」

「かしこまりました。」

私はタンスを開けて、中には紫色全色揃ってあった。こんなにも紫色が好きな人は始めて見た……