彼女と結婚?


そっか……やっぱりいるんだね、そういう人が。


そりゃ、そうだよ、彼女がいない方がおかしいもん。


わかってたはずなのに、胸の奥の方がちょっとだけ傷む。


「一花。俺の彼女になってほしい」


え? えっ?! 


えー!!!


あまりにも突然の言葉。


予想もしてなかった胸を撃ち抜くような衝撃的なフレーズに、腰を抜かしそうになった。


「あぁ、一花には、俺の彼女のフリをしてもらいたい」


え……か、彼女のフリ?


「彼女になって」も「彼女のフリ」も、どちらもとんでもないお願いだけど……


でも、心なしか残念な気持ちになったのは、私が一瞬でも変な期待をしちゃったから?


だとしたら、めちゃくちゃ恥ずかしい。


絢斗が、私なんかに本気で告白するわけないのに。


「嫌か?」