でも今は我慢してフロント業務をこなさないと。


大好きな絢斗さんが総支配人を務めるこのホテルの名を、私が汚すわけにはいかないから。


いつか、私が、絢斗さんの奥さんになるかもしれないんだし。


だから、今は……耐えよう。


私の方が絶対にいいに決まってるんだから、いつかそれがみんなにわかる時がくる。


そう信じて頑張ろう。


夕方、勤務が終わって、私は一花に連絡を入れた。


一花も、仕事を終えてるはずだから。


『もしもし……』


「一花。また飲みに行こうよ。今度は3人で」


『3人って……?』


不思議そうに聞く一花。


「私達と……茅野君」


『か、茅野君? どうして?」


「いいじゃない。あんな可愛いイケメンとたまには飲みたいじゃない。茅野君もOKだから。嫌とか言わないでよね。この前、慌てて解散させられたんだから」


わざわざ付き合ってあげたのに、逃げるように帰るなんてね。