山内さんは、私の肩を軽く叩いて言った。


このオバサン、全く私の話を聞こうとしなかった。


マジ、最低。


一花は、人を取り込むのが上手いから……


ものすごく腹が立ったけど、私の明るいイメージを壊さないように、その場は何とか無理やり笑顔を作った。


「山内さん。アドバイスありがとうございます。松下さんとゆっくり話してみます」


「それがいいですよ」


フロントに戻ってからも仕事が手につかず、何だかずっと胸がザワザワする。


私は、笑顔を作ることさえ苦痛になっていた。


どうしてよ?


何で一花は、いつも上手くみんなを自分の味方につけられるの?


そんなのズルいよ。


ちょっと待って、もしかして……


一花は、私の悪口を山内さんに言ってるのかも知れない。


だから、私の言葉よりも一花のことを信じて……きっと、そうだよ。