そこから、シキに近づく為に俺は様々な子役オーディションを受けた。
親も乗り気だった為、正直やりたくなかったものも出来ることは何でもやった。
少しでも、シキに近づきたかった。
それから学校へ行く日が少なくなり、家庭教師が家に来て勉強を教えてくれるようになった。
彩に会えなくても、我慢した。
次彩に会える時は、カッコよくなったねって言って貰えるように。
動機は不純でも、それで全て辛いことでも我慢出来た。
久々に学校へ行ける日には、既に自分は小学校高学年になっていた。
そこで、担任から耳を疑うような言葉を聞く。
「彩…?あぁ、佐伯さんね。転校したのよこの間」
「…は?」
「お別れの挨拶したがってたわ」
それから俺は学校へ行けなくなり、モデルの方へ専念する日々へ戻った。
もう二度と会えないかもしれない、と思うと全ての事にやる気がなくなり、どうでも良くなった。
「こんにちは、今日はよろしくね!」
気づけば中学生になっていて、そんな時に撮影で六花に出会う。
