しばらくして、赤澤くんが部屋に戻ってくる。
「あ…な、何だって?」
「大丈夫だって」
「え?」
「なんなら泊まってってもいいって。明日学校休みだし」
「え!?」
お母さんが!?
信じられない…そういうの、結構反対するタイプなのに。
お母さんも知ってる翔子とかならまだしも…男の子なのに、泊まりOKするなんて。
…yuzuってことを言ったのかな?
お母さん結構ミーハーな所あるし…それで了承したのかも。
「どうする?」
「え…」
「泊まってく?」
「え!?い、いやそれは…!」
「嫌なら家まで送っていくけど」
「い、嫌って言うか……逆に赤澤くんはいいの?それで」
「俺は別にいいよ。漫画、今いい所なんじゃないの?」
「…」
確かに、漫画の続きはかなり気になる。
借りるとしても、こんな大量の漫画、持って帰る方が大変だし…
「でも…本当にいいの?迷惑じゃー」
「あー、もう」
赤澤くんは立ち上がって、私の手を引く。
そのまま階段を降りて、リビングへと向かう。
「母さん」
「あ、柚月。今日のご飯はヒレカツカレ〜」
赤澤くんのお母さんが、エプロンをしたままご機嫌な様子で振り返る。
「今日、この子泊まるから」
「…え!?」
