「六花は昔から容姿が良かったから、色々あってさ、イジメとかもあったし」
「…」
「それであんな性格になっちゃったけど、多分悪気はないんだよ。許してやって」
「なんか新島くん、お父さんみたいだね」
「そうかも。保護者的なね」
優しく笑う新島くん。
…優しいんだな、新島くんて。
「2人は水とー…彩ちゃんは?」
「私は…うーん…レモンティーかな」
「おっけ」
「あ、いいよ。私出すよ」
「いーからいーから」
水を買ったあと、続けてお金を入れる新島くん。
「はい」
「あ、ありがとう…」
スマートな奢り方…そりゃ、モテるよね。
新島くんって、学年1カッコイイって噂されてるくらいだし。
こんな所他の誰かに見られたら私殺されるんじゃ…
「どしたの?キョロキョロして」
「へ?あ、いや…別に…」
幸い、もう校舎に残っている生徒はほとんど居ない。
良かった……
「新島くんってさ、モテるのに彼女とかいないの?」
「え、俺ってモテるの?」
「えっ!?」
その言葉に衝撃を受ける。
「新島くん、自分がモテるって自覚してないの……?」
「だって俺別に告白とかされないよ」
「…そりゃ、振られるの分かってて告白はそんなね…」
「え?」
「だって六花ちゃんと付き合ってるって言われてるしね」
「あー!じゃあ俺に彼女が出来ないのって六花のせいか!」
クソー!と声を上げて座り込む新島くん。
…まさか、自分がモテることを自覚してなかったとは。
なんか、可愛いな…新島くん。
