「まぁ、彩が何も言わないなら何も聞かないけど……」 「…」 「最近疲れてるみたいだし、あんま無理はしないようにね?」 「ありがとう…翔子」 大丈夫だよ、と笑う彩につられて微笑む。 彩が何も言ってこないって事は、言いたくない事かもしれないし。 ここは、親友として経過を見守ろう。 キーンコーン 「あっ、私行くところあるから!また明日ね、翔子!」 チャイムと同時に席を立ち上がりそそくさと鞄を持って教室から出ていった彩。 …最近一緒に帰ってないな。 いつか、彩が自分から話してくれるといいな。