隣の席で青春くん



ー翔子sideー



「……」



最近、彩の様子がおかしい。


なーんか隠してるって言うか…


教室にいても、バタバタしてるし。



「ねぇ、彩」


昼休みに彩の席に行き、前の席に座る。



「何…?」



「なんか彩、最近変じゃない?」



分かりやすいように肩が揺れる彩。


「え!?な、何が?」



「何がって…なんか隠してるみたいな…放課後もいつもどっか行くし」



「……別に?」



何この分かりやすい態度…


「それにさ…最近、赤澤とばっかり喋ってない?」



授業中とか、たまに後ろ向いたりするといつも隣の赤澤と何かコソコソ話したりしている。



「え!?だって席隣だし…ほら、赤澤くんずっと休んでたから、分かんないところ教えたりとか」




「あいつ頭いいんじゃないの?」




「うっ…そうそう、だから私が教えて貰ってるの」



あはは〜と笑いながら目線を泳がす彩。


…これは何かあるな、確実に。




「まさか、赤澤と付き合ってる…とか?」




「っないない!何言ってんの!」



それだけは分かりやすく否定する彩。



…まー、そりゃそうか。


冴えない地味メガネだしね。