薄い茶色の髪の毛、教室とは違う薄いメガネ。
高い鼻、薄い唇……って。
「yuzu!?」
「気づくのおそっ」
「あんまテレビとか見ないんじゃないの?ゆずは変装しててもバレる人にはバレるし」
目の前にいるのは、赤澤くんでも柚月くんでもない。
あんまりテレビ見ない私でも知ってる、
モデルのyuzuだ……
新島くんに、美女に、yuzu……圧巻な光景。
「固まっちゃったよこの子」
「ゆずに何か用事だったんじゃないの?」
その言葉にハッとする。
「あっ、そうだ。このアンケートに記入して欲しくて…」
「アンケート?」
「そう、文化祭の…」
yuzuはプリントに目を通し、じろっとわたしをみる。
「記入して明日渡せばいい?」
「あ…はい」
「はいよ」
そう言ってyuzuは寝転がり目を閉じた。
自由人……
「ねぇ、君名前は?」
新島くんに問われ、咄嗟に口を開く。
「あ…佐伯彩です」
「彩ちゃんね。この事は皆に内緒にしてくれる?」
「え?この事って…」
「柚のこと。学校では隠してるんだ」
新島くんはニッコリと笑って ね?と首を傾げた。
「あ、はい…それは全然」
「ありがとー!ま、ゆずの事がバレたらすぐに君が犯人ってすぐ分かるんだけどね」
…怖い顔。まるで脅しだよ。
「ゆずに惚れないでよね!!ゆずは私のなんだから」
物凄い怖い顔で、美女がyuzuの腕を掴んだ。
