前には怪獣の顔、そしてそこから続く地面……ということは、私、この怪獣の背中に落ちたのか!
 逃げても落下で死。このままいてもたぶん食べられて死。
 にっちもさっちもいかないみたいだから、どうせなら意識のない間に食っちゃってください。
 私はヤケ気味に……再び意識を失いました。

 花が咲いています。綺麗だけど見たことのない花。小鳥のさえずりもどこからか聞こえてきます。空も綺麗だし、お日様もまぶしい。
 のどかだなぁ。天国って、こんな感じかな。
 ということは、私はやっぱり死んじゃったのね。食べられたのか落下したのか知らないけど、とにかく苦しまなくてよかった。神様ありがとう!
 なんて、勝手に神様に感謝していたら。
「気がついたか」
 頭の上で素敵バリトンボイスが響いてきました。
「へ?」
「気がついたか、と聞いている」
 あれ? この声、さっきも聞いたような?
 さっきってことは……。