トープさんが私の肩を持ったもんだから、フォーンさん、顔を真っ赤にして不機嫌マックスです。でも誰も気にもしていないみたいだから、フォーンさんはこれが通常運転なのかも。
「フォーンも食べてみたらわかるよ。ライラック、今日の分がまだ残ってたんじゃないかい?」
「はい、少しなら。注ぎましょうか?」
「いらぬわっ! もういい。今後、間違いのないよう、十分気をつけるように!」
「了解です!」
 フォーンさんはプンスカしたまま厨房を出ていきました。
「そんなに怒ることないのに」
「あはははは! フォーンは常に竜王様の機嫌を気にしてあんなんなんだよ。放っておいていいよ」
「そうなんですね」
 執事さんも大変だ。こんなんじゃ胃に穴があいても知らないよ。

 そして竜王様の仰せの通り、次の日からは私が『汁もの担当』になりました。
「毎食だと飽きませんかね?」
「あら、じゃあ私たちは飽きてるように見える?」