テーブルだけでなく床にも、昨日飲んだビールの空き缶が転がって……。
 もう羅列するのやめとこう。自分でも軽く引く。
 自慢じゃないけど、動線だけは確保しているから、足の踏み場もないってことはないのよ。まあ、獣道も同然だけど。
「あ~、さすがにコレはいろいろやばいかな」
 人として、二十五歳の女子として。
 やっぱり明日は一念発起。この部屋を片づけよう!
 ユイちゃんにあきれられる前になんとかしよう。
「よ~し、ダイエットは明日から……違くて。片づけは明日がんばろう」
 今日はもう疲れたからお風呂に入って寝て、明日のために英気を養おう。
〝脱・汚部屋〟を心に誓い、パンプスを脱ぎ、部屋に上がったところで。
 転がっていた空き缶を踏みつけ、盛大にすべりました。
「きゃー!?」