「なにをやらかすというのだ? いろんなものを破壊するのはフォーンたちからすでに聞いているぞ」
「そんな物理的なことじゃなくてですね!」
 こんなところで過去の所業を思い出させないでください! くっそフォーンさんめ、そんなことまでチクっていたのか。
 じゃなくて。
「またヴァヴェル王国から利用されるようなことがあったら、ということです」
「あるのか?」
「いや、もうないと思いますが、もしかしてほかにもなにか術をかけられていたらと思うと、自信がなくて」
「そうか」
 竜王様は、私の話に納得してくれたように見えたんですが。
「では、ますます余の監視下に置いておかねばなるまい」
 不敵な笑みを浮かべた黒ヒスイの瞳がこちらを見ています。
 そうきたか~。
 ですよねぇ。このまま放置してくれるわけないですよねぇ。
「また牢屋戻りですね」
 前回のような快適牢屋ではなく、きっと今度はガチモノの。