「なにをおかしなことを言っている。余はライラを罪人と思ったことはないぞ?」
「でも牢屋にブチ込まれていました!」
「それはそなたの身を守るためであったのだ。なのにコソコソ抜け出して」
「身を守るって……?」
「ライラは勝手に動き回りそうだからな。こちらの態勢が整うまでおとなしくしてもらうためだ。それに、そんなにひどい牢屋ではなかっただろう?」
「ぐぐ……」
 そうでした。あの牢屋、意外と居心地よかったです。
「なのにコソコソ抜け出して使用人たちと共謀した揚げ句、あの後、戻ってくると言ったくせにどこかに行ってしまった」
 ここでムッとする竜王様。あ、やっぱり逃げたこと根に持っていますね。
「それはすみません。多大なるご迷惑をかけてしまいましたし、またこれからもなにかやらかすかもしれないと思うと、もう竜王城にはいられないと思ったんです」