キュルキュルと情けない音を立てるお腹をさすりながら厨房内を見回していると、あちこちに使わない野菜や食材が置いてあるのが目に入りました。竜王様にはおいしいところ、一番いいところを出すから、端っことかは捨てられちゃうってわけ。ここ数日はそれで飢えをしのいでいたけど、私、料理だけはできるから、あれを使って自分のご飯作ってもいいかな?
「あの~」
「なんだい?」
「そのあたりに置いてある使わない野菜とか、もらってもいいですか?」
「使わない野菜? ああ、どうせ捨てるからいいよ」
「ありがとうございます!」
 近くにいたメイドさんに声をかけると、あっさり許可が下りました。
 やったぜ気分はゼロ円食堂! ということで、机の上に置いてある、あとで処分するはずの残り野菜を集めていきます。
「じゃがいも、にんじん、玉ねぎ! 味も……うん、玉ねぎだ」