「ま、まあ、今回は知らなかったってことで勘弁してやるよ」
「ありがとうございます!」
「またここでこれ、やるのか?」
『これ』というのはこのスープの出張店舗ですよね?
「できればまたやりたいと思っていますが……もちろんみなさんには特別サービスで大盛りを差し上げますよ?」
 チラッチラッ。お兄さんの反応を見ると、まんざらでもなさそう。
「おう! ならいいぞ」
 許可出ました~! やったね。
「うまかったな」
「今度、店の方にも行ってみるか~」
 なんて言いながら去っていく強面お兄さんズ。
「一時はどうなることかと思いましたが」
「シャトルーズさんのスープに救われました~」
 おいしい料理は人の心も動かしますね。

「レイラさんのおかげで、いつもより早く店じまいすることができたよ」
「お役に立ててなによりです、シャトルーズさんのスープも好評でしたし」