「ほんとに。十分お客様にも出せるレベルだよ」
「そんなことは……そう、私は、ここのみなさんのお役に立てればと思って作ってるだけなので、お客様に出せるほど量も作れない……」
 あ、私、竜王城にいた時、でっかい寸胴でかなりの量作ってたわ。
 馬鹿正直に思い出して言葉が途切れたら。
「そうだモーブさん! これでランチ営業しない? オニギリとミソシルのセットで」
「ラピス、いいアイデアだね!」
「量が作れないなら数量限定! ふふふ……これは早い者勝ち。争奪戦になるわ」
「アタシは夜の営業メインだから、昼はレイラに任せようか。ラピスはどうだい?」
「私は大丈夫よ。ランチ営業っていっても数量限定だからすぐ終わるし、終わったらレイラのおいしいマカナイ食べられるし。ね?」
「えぇ……」
 黙っているうちにどんどん話が進んじゃってます。ラピスさん、押し強いね。
 ということで『Tia mauve』、ランチ営業もすることになりました。
 なんでこうなった。