ふたりとも、気持ちいいほどパクパク食べてくれています。
「いつもの野菜スープだけじゃ物足りなかったけど、これで賄いレパートリーが増えました」
　少しは役立たず返上できたかな？
　ふたりの食べっぷりを見てホッとしてたんだけど。
「これ、マカナイにしておくのはもったいなくない？　ね、モーブさん」
「ああそれ。アタシも思ったよ」
　ラピスさんのひと言に、モーブさんまで乗っかってきました。
　どういうことかな？
「ええと、どういうことでしょう？」
「お店で出してもいいくらい、おいしいってことよ。ね、モーブさん」
「ああ。こういう軽食メニュー、うちにはないからね」
　この私の料理を、お店で出すってか!?
「いやいやいやいや、私はプロじゃないですよ。ましてやこれは賄いで、お代をいただけるような料理じゃないし……」
「あら、なにを言ってるの。おいしいだけでなく、この辺では味わえない料理よ？」