いただいたクズ野菜をざっくり切って鍋に放り込む。くさみ消しに適当なハーブを入れておく。ただこれだけだけど、お野菜から出るうまみが感じられるおいしいスープになってくれます。食べる前に塩コショウで味を整えるのを忘れずに!
 賄いの仕込みが終わったら、またお手伝いに戻りました。
「え、なにこれおいしっ!」
 お客様が切れたタイミングで調理場に来たラピスさんが、オープンサンドをつまんで驚いた顔になっています。
「お口に合いましたか?」
「ええ。びっくりした。これほんとにあなたが作ったの?」
「そうですよ。スープも作ってあるので、仕事終わりにそっちも食べていってくださいね」
「へぇ。ちょっと楽しみだわ」
 いつも私にはつんけんしていたラピスさんが、初めて笑ってくれました。
 こんな感じで居酒屋『Tia Mauve(ティア・モーブ)』、町はずれで営業中です。