「お高いやつですね。ひぇぇぇぇ……」
「割れたもんは仕方ない。けど、ただでさえ忙しいんだ、これ以上仕事を増やさないでおくれ!」
「ごめんなさ~い!」
 一喝され、私は慌てて割れたかけらを拾いました。
 シンクの中だけで惨劇は済んだけど、さらに五枚ほどお皿を割ってしまいました。なぜなら、[かけらを拾う]→[洗剤ですべって落とす]→[別の皿を割る]のループを繰り返したから。
 お高い皿って、聞いたのに。やらかしちゃった。はぁ。
 さすがに料理の手を止めたトープさんが、またこちらにやってきてため息をついています。
「頼むからじっとしてておくれ」
 懇願されました。
 どうやら私、初日からやらかしてしまったようです。
 来る場所間違えたな、こりゃ。