「ちょっとなに言っているのかわからないんですが、まあ、計画通り料理は振る舞います」
「では、ライラの計画に乗るとしようか」
 私の計画て。めっちゃバレてますやん。
 バレているなら開きなおれ!
 その時、外から〝コツン〟となにかが門扉にあたったような、小さな音が聞こえました。
「来たようです」
「そうか」
 とうとうヴァヴェル兵がやってきました。

「インディゴ、スプルース、バーガンディー。隠れるぞ」
「はっ」
 竜王様は側近様たちに小さく声をかけると、庭園の茂みに身を潜めました。
 誰もいなくなった庭園の隅。パチパチ、と薪が爆ぜる音と、鍋がぐつぐつ煮える音だけが聞こえています。
 さあ、いよいよ決行の時ですよ!