「ふむ……。それで、この後ライラはどうするつもりだ?」
 この後ですか。
 もともとは、この作戦が成功したら、そのままトープさんの妹さんのお店にトンズラ……げふげふ、かくまってもらう予定だったんだけど、こうして竜王様に計画がバレちゃったからなぁ。
 私が逃げてしまったら、この計画に協力してくれたみんなにおとがめが下るでしょう。
 それはなんとしても避けたいこと。
 私がおとなしく捕まって、私ひとりの計画だと言い張ればいい。
「おとなしく牢屋に戻ります」
「そうか」
 私の目をまっすぐに見てくる黒ヒスイの瞳。私も負けじと見つめ返します。
 その瞬間、火花が散ったような感覚が、した。
 バチバチッて、ライバルじゃあるまいし。
「──力はもらったので余だけでもヴァヴェルは撃退できるが、せっかくライラが罠を用意してくれたんだ、使わせてもらおうか」