「やった! では作戦終了後にしれっとお返しするということでお借りしましょう。トープさんたちは、できるだけたくさん野菜を切っておいてくれますか?」
「切るって? どれくらいに?」
「あとはスープに入れるだけ、くらいに」
「わかった。それで、肝心の出汁はどうするんだい?」
「それは当日、その場で作ります。出汁の匂いも食欲をそそるでしょう?」
「なるほど。わかったよ。じゃあ、大鍋の用意もしておこう」
「ありがとうございます。残るは睡眠薬だけなんだけど……」
 薬といってもこの世界だと『薬草』になります。眠たくなる成分を含んだ薬草を精製して薬にするんだけど、薬は高価なものなので、そうそう手に入りません。
 これがこの作戦の要なんだけど、私ごとき下っ端が入手できる代物でもないしなぁと考えていたら、ウィスタリアさんがトープさんに話しかけました。