何度も同じ話をしていると、どんどんこなれてスムーズに話せるようになってきました。要点はしっかり強調、不必要なところは華麗にスルーってね。
 椅子の肘掛けに肘をのせ、頬杖をついたまま私の話を聞いていた竜王様。
 誰にも邪魔されることなく、最後まで話し終えました。
「──それがすべてか?」
「はい、そうです」
「ふむ……」
 そう言うと黙り込み、じっと私を見てくる黒ヒスイの瞳。私も、少しでも私の話を信じてもらえるようにと願いを込めて、その瞳を見つめ返しました。
 さあ、じ~っくり見てください。嘘なんてついてないんですからねっ!
 しばらく睨み合いのような時間が続きましたが、先に視線を逸らしたのは竜王様でした。
「ライラを牢屋へ入れておけ。ヴァヴェルの件の始末がついたら沙汰を出す」
「かしこまりました」
 竜王様がインディゴ様に命じました。