あの人はいっつもお小言ばっかり言うし、お菓子とかめっちゃ食べちゃうから、ちょっと苦手なんだけどな~。でも今はそんなことを言っている時じゃない。
 いったんフォーンさんに事情を話すことにしました。

「なんでみんなで囲むんだ?」
「あんたに話があってね」
「だからって、囲むな!」
 おやつ休憩に来たフォーンさんを、トープさんやメイドさんたちで囲みました。なんでこんな状況になっているのか知らないフォーンさんが慌てています。
「まあおやつを食べながらでいいんで聞いてください。実は──」
 また私はヴァヴェルの話をしました。
「……お前が、ヴァヴェル王国のスパイだって?」
「だった、です。今は違います」
「そ、そんなのわからないじゃないか! 竜王国に寝返ったと見せかけて、油断したところでヴァヴェルに襲わせる気かもしれないじゃないか!」