「とっくに気を許してたから、いくらでも毒を入れるチャンスはあった」
「しかも毎食、竜王様も召し上がっていたし……」
　メイドさんたちは、お互い目を見交わし、信じていいのかどうしたらいいのか困惑しているようです。
「トープさんの言う通り、その気になればいつでもライラは毒を盛れたのに、でもそれをしなかった。ましてや、いつもおいしいものを作って癒やしてくれたわ」
　次に声をあげてくれたのはマゼンタでした。
　そして、マゼンタに続いてほかのメイドさんたちも声をあげました。
「働き方を変えてくれたのもライラだった」
「レイゾウコとか、便利なものを作ってくれたよね」
「ギスギスした雰囲気だった厨房や城内を、働きやすい、いい環境に変えてくれたのもライラだわ」
「害をなすどころか、いいことしかしてないじゃない」
　メイドさんたちの声に、トープさんが大きくうなずきました。