22・信じ……ませんよね
 私への合図で思い出した『ヴァヴェル人だった頃の私』、そして『なぜ竜王国に派遣されたのか』。
 ヴァヴェル人だった頃は『命令』を素直に(?)受け入れましたが、前世の記憶もよみがえり、そして竜王様たちには大変お世話になったこともあって、今の私に竜王様たちを裏切ってヴァヴェル王国にくみするなんて到底無理。
 ということで、私、ヴァヴェルを裏切らせていただきます!
「早く思い出したことを誰かに伝えなくちゃ」
 といっても、いきなり竜王様のところに押しかけるわけにもいかないし……。こういう時はまず上司に、『ほう・れん・そう』だね! 前世の記憶よありがとう。
 ちょうど手の空いている時間だったトープさんをつかまえて、私はさっき思い出した話とヴァベルのことを伝えました。もちろん私はヴァヴェルを裏切るつもりだということも。
「ライラが……ヴァヴェル人だって?」
「そうです」