21・思い出した過去
 最近竜王国上空に現れていた謎の『花火』の正体。あれは、私への『合図』です。パンッと弾けたような花火の音が、私の『忘れていた』過去を思い出させました。
『これからあなたは竜王国に行き、時がきたら、我らを竜王国に案内するのよ』
 朦朧とする意識の中で聞いた最後の言葉が、『合図は、花火。花火の音で、あなたはすべてを思い出すの』でした。
 そうだ、私、〝ヴァヴェル人〟なんだった……!

 そもそも前世、現代日本人だったレイラは、床に散乱していたゴミに足をすべらせ死にました。はい、ここは変わりません。そして何度思い出しても恥ずかしい。
 そしてついさっきまでの私は、そのままこちら『竜王国』に転生してきたものだと思っていましたが、これが違うんですよ。
 私、ヴァヴェル人として転生していたんです。それはもう、おぎゃあっと。