『どこそこで花火大会やるよ~』みたいな明るい(?)ものではなく、竜王城があるこの町の、不特定の場所に突然上がるらしいんです。なにそれ怖い。
 だからメイドさんたちも気味悪がっていたんですね。
 謎の花火かぁ。
「竜王様や側近の方々が解決してくれるんじゃないですか?」
 竜王様が見たら原因がわかるかもしれませんよ? なんてったって王家に伝わる不思議パワーの持ち主ですから! それに素敵魔法を使いこなせるスプルース様や、賢いインディゴ様もいますし。……バーガンディーさんは力技で犯人を捕まえてくれそう。
「そうね!」
「竜王様がなんとかしてくださるわ」
 不安そうだったメイドさんたちの顔色が明るいものになりました。
 竜王様、信頼されていますよ!

 謎の花火の話をしていた数日後。
 とうとう上がりました。竜王城上空にも例の〝花火〟が。
「例の花火かもしれない」