料理教室で習うようなきちんと丁寧に作る料理でも、もっと早くできるような気がするのは私だけ? ましてや私のようなズボラ庶民が作る料理なんて……まあそこは言及すまい。
「新鮮な食材を新鮮なうちに料理しないと腐っちまうからな」
「そりゃそうですけど……」
 それにしたって時間がかかりすぎだと思います。それだけ品数も調理法も凝っているということなんだろうけど。
 ふわぁ~。なんか大変なところに来てしまったかも。
 どこでも寝られます、置いてくれるならどこでもオッケーとは言ったものの、掃除洗濯家事能力皆無に近い私が、こんな修羅場に来ていいのかしら。
 私はもう早速腰が引け始めたのに。
「お~い、トープ」
 バーガンディーさんは周りの忙しさを全然気にする様子もなく、調理台にいる女の人に向かって声をかけました。ツワモノか。
「はいよ」