「もはや様式美にも近いけど、ほんとに迷惑な話だわ」
 パーティーの日、上級メイドさんと話をしていた時は話半分で聞いていたけど、こうして現実に起こってみると、ヴァヴェルの女王様の病み具合が本物だと痛感させられます。
「こうした、ちょっとした小競り合いでも回復は大変なのに」
「回復?」
「そうよ。まあだいたいは魔弓部隊だけで済んでるけど、あれだって魔力を使うから疲れるのよ」
「魔力=体力ってこと?」
「そんな感じね」
「そっかぁ。ゴミもたくさん出てるみたいだから、ほかの騎士さんたちだって後始末が大変そうだし」
 厨房の外には、まだ作業に追われている騎士さんたちが見えています。
 あのゴミを集めて燃やすのか埋めるのかは知りませんが、この広大な竜王城、拾い集めるのにもひと苦労だと思います。
 片づけ苦手の私にとって、その苦労が嫌というほど伝わってきてゲンナリしていると。
「あらそれは大丈夫よ」