そっかぁ、私、意外と気を張っていたんだ。
 知らない場所にいきなり落ちてきて、シカトされる中ひとりでがんばって。それが急に認められたって聞いて、張りつめていたものが切れたんでしょう。
 そっか、みんな、認めてくれてたんだ。
 ポロポロと涙をこぼす私を、おろおろしながらもじっと見守ってくれている竜王様。
 ふふ……きっとこんなにうろたえている姿、誰も見たことがないでしょうね!
 涙を流したら、なんかスッキリしました。
「もう大丈夫です。これは心の汗です。気にしないでください」
「はぁ?」
 グイッと袖で涙を拭って、ニカッと笑ってみせたら、あきれたようなホッとしたような表情になる竜王様でした。

「さあ、そろそろ戻らないと。今日の夕飯もおいしいスープ作りますよ!」
「そうか、では楽しみにしているぞ……?」
「?」