18・散歩からの……
「あら、ぽっかり時間が空いちゃった」
 今日のおやつはゼリーなので、冷蔵庫に作り置きをしてあるから追加分を作る必要がないし、晩餐用(そして私たちの夕飯用でもある)のスープの仕込みは終わったし。
 あら、どうしましょ。
「トープさ~ん。今日はお使いないですか~?」
「今日は大丈夫だよ」
「ソデスカ」
「どうかしたのかい?」
「えっと、時間があまってしまったんです」
 忙しくしているみなさんの前では言いにくいけど、ほら、私ってば『ほかのものに触るの厳禁』じゃない? だからできることは限られているのですよ。だからってボーッとするのはどうかと思うし……でしょ?
「じゃあ、休憩がてらちょっと外に出てみたらいいんじゃないか?」
 ああ、と、トープさんが思いついたように言いました。
「外? お城の?」
「じゃなくて。ここの庭園は広くて綺麗だから、散歩でもしてきたらどうかなって思ったんだよ。あんた、ここに来てからゆっくり城内を見ることもなかっただろう?」
「言われてみれば……そうでした」