私が外出の用件を伝えると、門衛さんが重厚な門を開けてくれました。
 太くて幅の狭い鉄格子でできた門は、ふたりがかりでやっと開くような重さ。裏門でさえこの立派さですよ、正門に至ってはどんな門なんだろう。まあ、それはそのうち見えてくるでしょう。それより今はお使いです。私は地図に目を落としました。
 裏門を出たらまず右に。そしたらしばらくお城の外壁に沿ってまっすぐ行くようです。
「まっすぐ行ったら、角をまた右に曲がる……と。あら、正門のところまで行くのね。そして、正門のところから大通りに入ってまた直進、と」
 地図では正門のところから大きな道が市街に向かって延びています。異世界版シャンゼリゼか朱雀大路か。そんな感じかな。
 とりあえずお城の正面に続く道を目指して、城壁沿いをテクテクと歩いているんですが、なかなか次の角にたどり着かないんだなぁ、これが。
「どんだけ大きいのよ、このお城」