「ちょっと待ってな。ええと……」
 トープさんは紙とペンを持ってくると、買うべき香辛料とお店の名前、そしてお店までの地図を簡単に書いてくれました。
「店は市場の中にあるから、わからなければ誰かに聞くといいよ」
「市場!? 市場があるんですか!?」
「そりゃあるさ」
「ですね。すみません。それで、市場まではどれくらいかかるんですか?」
「そんなに遠くないよ。歩いてすぐだ」
 トープさんの言う通り、地図で見たら市場はお城の近くにあります。
 道も入り組んでないし、これなら迷わずに行けるでしょう。そもそもそんなに方向音痴ではないし。お使いだってみんなの役に立つことです。喜んで行きますよ!
 私は代金の入った小銭袋を受け取り、早速出かけました。

「厨房のライラックです。買い出しにいきます」
「通れ」
「ありがとうございます」
 ぺこり。