マゼンタは厨房付きのメイドさんだから、パーティー会場である大広間にいるはずがないんですよね。私にできることなら手伝うんだけど。
「用事っていうよりライラを呼びにきたの」
「私を?」
「そう。竜王様がミソシルを飲みたいって言いだしてるんですって」
「はい?」
 こんな時間に夜食ですか、竜王様。
「でも今日はなんの仕込みもしてないわ」
「竜王様の命令は絶対よ! 急げライラ!」
 王様ゲームか。って、現に王様だけど。
「わかった!」
 悲しいかな会場のお片づけは私がいなくても全然大丈夫なので、近くにいたメイドさんにひと言断ってから、私は厨房に急ぎました。

 パーティーのおかげで、食材はふんだんにあります。
「なにを入れようかなぁ」