10・竜王様の婚活事情
 厨房以外のメイドさんたちも、時間が来たら厨房で賄いを食べ、休憩を取るようになってからというもの、ギスギスした雰囲気は薄れ、みんなの瞳に光が戻ってきました。
「ライラのおかげで、ミスを恐れるというより、ミスそのものが減ってきたわ」
「私はなにもしてないですよ」
「少しの休憩でも気が休まるのに、そこにおいしい食事があったら、気力も体力も回復するでしょう?」
「そう言ってもらえたら本望です」
 休憩時間にウィスタリアさんにお菓子を出したら、引き留められ、絶賛褒められ中です。
「私たちの分……いや、この城中のマカナイをひとりで作っているわけでしょう? 大変じゃない? ライラこそ、ちゃんと休めている?」