「あ、はい、そうです。そうそう、使った食器は自分で洗って片づけてくださいね。私、割っちゃうんで」
 私がそう言うと、ウィスタリアさんが驚いてトープさんの方を見ました。
「そうなんだよ。この子、すぐなんでも破壊してしまうんだよ」
「てへっ」
 事実なんで否定しません。
 トープさんが許しているのを見て、ため息をついたウィスタリアさん。
「あまりゆっくりはできないんだけど……ねえ。うちのメイドたちも、こちらで『マカナイ』とやらを食べてもいい?」
 トープさんと私に聞きました。
 働く場所が違うからあまり気が回らなかったけど、言われてみれば、厨房以外で働くメイドさんたちのご飯事情って、知らなかったなぁ。
「厨房以外のメイドさんって、どこでご飯食べてたんですか?」
 トープさんに聞いてみました。
「厨房でまとめて作って休憩部屋に持っていき、それを手の空いた者から食べるんだよ」