富永さんからは 毎夜 ラインが届いた。


『元気?』 とか。


『泣いてない?』とか。



私を 気使う言葉に 私の心は 癒されていく。



まだ40才の 富永さんは 数年前に離婚して

いまは 1人で暮らしていた。


『篠田さん、料理できる?』

『一応 主婦ですから』

『俺 外食ばっか。今度 手料理 作って』

『そのうちね』


年下は 甘え上手。




まだ 私は 最初の一歩を 踏み出せなかった。


こんな不確かな フワフワした状態が 心地よくて。



ここから先は 新たな地獄だと 思っていたから。