家から車で30分。
ショッピングモールの中の シューズショップで 働き始めたのは 4年前。
直哉が 中学生になった年。
それまでは 近所の ドラックストアで パートをしていた。
直哉が 3才の時から 働いている私。
たとえパートでも。
栄二の扶養から 抜けない範囲でも。
年間100万円としても、私は もう 1000万円以上 家計に 貢献している。
通勤の車内だけが ホッとできる時間なのに。
昨夜 美由紀に コピーしてもらったCDは 暗い曲が続くから。
梅雨空と重なって 私の思考も 暗くなってしまう。
「ダメダメ。気分を変えよう。」
一人で言って フッと ため息が出る。



