新居は 栄二が住んでいた 1DKのアパート。


移ってすぐに 私は 近くで 派遣社員として 働き始めた。



世間知らずの 2人。

ままごとのような 新婚生活。


少ない 生活費。

不慣れな 土地での生活。



でも 私が 妊娠するまでは それなりに うまくいっていた。



栄二は 1人暮らしの 不便さから 解放されたし。


私も 毎日 栄二と一緒にいる生活は 楽しかった。



「久美子。結婚生活は どう?」

大学時代の 友達から 電話があると

「うん。まあまあだよ。栄二って 案外 家庭的で 驚いた。」

なんて 明るく 答えていたのだから。