「ゆ、悠くん悠くん……!
虫刺されの痕がふたつになってる!どうして!?」
慌てて悠くんの元へ帰り、説明する。
同じような痕が、近くにもうひとつできていたのだ。
「も、もしかして私の部屋に虫が閉じ込められてるのかな……」
家に帰って着替えている間に、また同じ虫に刺されたかもしれない。
「私がここに来たときにはもう刺されてたよね……あーあ、ふたつになっちゃったよ」
これだと今まで以上に目立ってしまう。
明日は絆創膏を貼っていこうと決めた。
「彩葉って本当にバカだよな」
「えっ、どうして?」
「目の前で実践しても気づかないとか、彩葉のバカさ加減には呆れる」
「なにが……わっ!?」
少し落ち込んでいると、突然悠くんに抱きしめられてしまう。



